3月11日
あの日のことは忘れられない。
夜、テレビの前に座ったまま動けなかった。
何時間も繰り返し繰り返し見た津波。
本当に怖かった。
次の日から街中の電気が消え、
日常が変わってしまった。
薄暗い駅から地下鉄に乗ると、
乗車している人たち全員の携帯から
アラートが鳴り響き騒然とする車内。
空っぽのスーパーの棚。
必要最低限のものだけは買おうと、
翌朝早く買い物に行き、卵や牛乳などが詰まった
重い袋を両手に持って歩いていると、
見知らぬ若い男に「買いしめババア」と
罵られた。なんでだよ。
あのときは、心が折れたなあ。
毎日毎日、絆とACとシーベルト。
頭の中でぐるぐる回る1号機と2号機と3号機。
結局、ダンナと息子と3人で車で西に逃げた。
実家の京都に帰ると、
同じ日本の出来事だと思えないほど
のんびりしていて、地震の日以来
初めて熟睡できた。臆病者だなー。
あの地震は、
忘れることなんてできないです。