売り言葉にラブを

コピーライターなんですが、言葉と女心について語りつつ、本やマンガやアニメのことも

髪は運命を変えるのか

寺山修司の小説「あゝ、荒野」で、主人公のボクサーが言う。

「運のわるい奴も嫌いなんだ。大体、運のわるい女ってのにきれいなのはいないからな。目の下にくまがあったり、髪がざんばらだったり、子供を背負ったりしてよ。・・・・・運のわるい女ってのはみんな腋の下がへんな匂いをしているよ」

言いたい放題である。でも、腋の下の匂いはともかく、他のことはなんとなくわかる。特に髪は、ボサボサしていると不幸せオーラが半端なく出るので気をつけたい。

子どもの大学の入学式に行ったときのことだ。私の前に座っていたお母さんの髪がボサボサで、しかもホコリのようなものがついていた。すごい寂寥感。せっかくの晴れの日なのに、髪くらいとかして、きれいにしてきてはどうなんだろう。一緒にいるダンナも、なんで気がついてとってあげない?そんなに、隣にいる奥さんに関心がないのか?それを見たとき、人ごとながら、なんだかものすごく虚しいようなうら寂しい気持ちになったのを覚えている。やっぱり、不幸せそうな人のそばにいると、自分も不幸せな気分になる。

それに、顔以上に年齢感が出るのが髪だ。ある程度の年齢になると、スキンケアにお金をかけるより、ヘアケアにお金をかけたほうが得策のような気がする。どうせ買うなら、美顔器より高いドライヤー。

しかし、運が悪い人生を送っているから髪がざんばらなのか、髪がざんばらだから運を逃すのか。とにかく、髪をきれいにしている方が、運気はアップすると私は思う。