売り言葉にラブを

コピーライターなんですが、言葉と女心について語りつつ、本やマンガやアニメのことも

そうめんは氷水に入れる!絶対

www.j-cast.com

私はずっと氷水に入れていた。これからも、氷水に入れ続けるであろう。専門家になんと言われても、これは譲れない。

昨日、プレバトを見ていたら、土井善晴先生もそうめんは氷水に入れると言っていた。ダメなの?氷水に入れたら。そばやうどんは、冷やしものであっても氷水に入れないが、そうめんだけは絶対に入れてきた。

冷やそうめんは、夏の風物詩。見た目からも思う存分、涼を演出したい。氷水にスパーンと放たれていて欲しいのだ。半分くらい食べたところで、溶けかけた氷のはざまをたゆたうそうめんたちのはかなげな様子も、また涼しげで目にやさしい。

氷水に入れたほうが、ずっと冷え冷えで絶対美味しいと思う。それに、麺が細いから水につけておかないと、食べてるうちにくっついて食べにくいじゃないか。

と、このようなこだわりを披露するほどそうめん好きの私だが、小学生の時は嫌いだった。

当時、土曜日は学校が4時間目までで、お腹がぺこぺこの状態で家路につく。

私が通っていた公立の小学校は家から遠くて、子供の足だと歩いて30分近くかかる。重いランドセルを背に友達とちんたら歩きながら、頭にあるのは、今日のお昼ごはんはなんだろうということだけ。

真夏は、デカイ太陽が真上から容赦なく照りつけ暑さも半端ない。一刻も早く涼しい家に入り、冷たい麦茶およびカルピスを一気に飲み干し、ガツガツと昼ごはんを食べたい。

ただ、それだけを念じ、汗をダラダラと流して歩く。まるで、インパール作戦の行軍のようである。

そのような思いでやっと辿りついたところで母親に、「今日はそうめんやで」と言われると、子どもの心はがっくりと折れるのである。どうせ、冷たい麺ならば、なぜ冷麺(関西では冷やし中華を冷麺という)にしてくれないのか。

きっと薄焼き卵を焼いたり、ハムを切ったりするのがめんどくさかったに違いない。母の手抜きは火を見るより明らか。

そうめんに、天ぷらなどの副菜がついていれば、なんの文句もない。しかし、昼ごはんからそのような立派なものがあるわけがない。

そうめんオンリー。テーブルの上にあるのはそうめんとつけ汁だけである。

チッと舌打ちの一つもしたくなるではないか。小学生にとって、そうめんは美味しくも不味くもない。ただの飢えを満たす食物である。

しかし、ごはんに文句を言えば、「ほな、食べんとき」と言われるだけである。諦念、という言葉を小学生の時は知らなかったが、まさに、土曜の昼のそうめんは諦念そのものであった。

が、しかし年齢を重ねるにつれ、食べ物の好みというのはどんどん変わってゆく。夏はそうめん!絶対、氷水に入れるけどね。