売り言葉にラブを

コピーライターなんですが、言葉と女心について語りつつ、本やマンガやアニメのことも

森茉莉の贅沢がカッコよすぎる

ゾンバルトの「恋愛と贅沢と資本主義」

のマンガ版。魅力的なタイトルに惹かれて、

ついKindleで買ってしまった。

ショーペンハウアーの「幸福について」や

マルクスの「資本論」とか、難しそうで

絶対手を出さない本がマンガシリーズで

いろいろと出版されている。

君たちはどう生きるか」のマンガ化が

大成功したので、昔の哲学書や超大作が

これからどんどんマンガになる予感がする。

「恋愛と贅沢と資本主義」だが、

ヨーロッパの特権階級の

恋愛と贅沢が、初期資本主義を

発展させたという理論。

貴族や大金持ちの男が

お目当の美女の気をひくために、

バンバン贅沢品を買う、

この浪費が産業を促進したという。

私にはまったく縁のない話なので、

気楽に言わせてもらえば、確かに

お金持ちの人たちが、溜め込まないで

どんどんお金を使った方が

経済は回りそうな気はする。

そして、贅沢といえば、私の魂の師匠2

名作「贅沢貧乏」を書いた森茉莉さんだ。

「ほんとうの贅沢な人間は贅沢と

いうことを意識していないし、

贅沢のできない人に

それを見せたいとも思わない」

「贅沢な奥さんは自分の持っている一番いい

着物で銀座や芝居、旅行なぞには行かない」

「銀座を歩くというのはいわば散歩である」

こんなことを書いているとき、

森さんは代沢のアパートに住み、

どこへ行くのも堂々と買い物カゴ。

お金のあるときにバタや上等の味噌を

買っておいて、ネギだけで2日過ごす。

なのに、4,500円(昭和40年代のこと

なので、今だと数万円すると思う)の

カーディガンを買い、着るのを忘れて

ハンガーに吊ったまま

ほっておいたら虫食いになり、

深夜密かに川へ捨てに行ったという。

もう、茉莉の贅沢、素敵すぎる!!