売り言葉にラブを

コピーライターなんですが、言葉と女心について語りつつ、本やマンガやアニメのことも

相槌「さしすせそ」

20代の時から、結構、場持ちするやつと言われている。

ワイドショー的なネタをはじめ、いらん知識がほんのりあるので、誰とでも何となく話し続けられる。

しかし、初対面の人や、そんなに親しくない人とあたり障りのない会話を続けなければいけない場面はそれなりに気を使う。

そんな時のお助け相槌ワードは、接客業の女性の定番、ご存知「さしすせそ」。これは、やっぱり便利。

「さすがですね」「知らなかった」「すごいですね」「せっかくですから」「そうだったんですね」の5つのワードで相槌を打ちつつ話を合わせていくという技だ。この相槌があれば、何となくさらさらといい感じで時は過ぎてゆく。

相手の話が面白い場合は、このワードの前に「はー」「へー」「ほー」などの感嘆詞がつき盛り上がったりするのだが、つまらない場合は心のない相槌になってしまい、5ワードは虚しく空気中を漂うことになる。

今日の日経新聞の文化欄に書かれていた町田康のコラムで、この5ワードについて触れられていて面白かった。書き写すと、

『検索すると、その相槌を心内語に翻訳すると、相手は嫣然と微笑みつつ、心内では以下のように言っているということがわかった、すなわち、「サイテーですね」「死んだらどうですか」「すごいバカですね」「先祖もバカなんですか」「損害賠償請求したーい」』

これ、検索なんかしてないと思う。町田康が自分で書いてるはず(笑)

キャバクラのお姉ちゃんとかが胸の内で思いきりつぶやいてそうで、朝からヘラヘラと笑ってしまった。

いやあ、私はここまでひどいこと思いながら「さすがですねー」と相槌を打っていませんよ。でも「さっさと話し終われ」と思うことはある。